身近になった現代病「ネット依存症」とは
いまやスマホやパソコンは、青年層に限らず、若年層や壮年層にまで、一人一台が当たり前のようになってきており、気軽にインターネットに接続して情報を得たり、コミュニティを築いたりすることが出来る時代となりました。
しかし、手軽で便利な側面の裏側で「ネット依存症」と呼ばれるものが出てきました。ネット依存症とはインターネットにはまってやめられなくなり、生活に支障が出てしまう心の病気です。20歳以上で約270万人いるとの調査結果もあります。
また、スマホの普及によりネット依存症の低年齢化が進んでいます。総務省が発表した2013年度高校1年生のスマホ所持率は84%でした。また、2013年に厚生労働省が発表した調査結果によると、中高生だけでも全国で50万人以上に病的な症状が出ていると言う結果が出ました。小学生にまで広がっているとの調査結果もあります。
若い世代だけとは限りません。以前はネット依存は一部の人たちのものと考えられてきましたが、インターネットがこれだけ広まると、夫や妻、恋人や友達、自分の子供がネット依存になっても何もも不思議ではありません。誰にでもネット依存症になる可能性があるのです。
インターネットは私達の生活を大変便利にしてくれましたが、予想もできなかった問題が表出してきたのも事実です。このサイトはネット依存症の症状や原因、治療方法などを紹介するとともに、安心してネットを利用できる世の中になってほしいとの思いをこめて作成しているものです。
重症度はさまざま
ネット依存症の症状には、軽度なものから重度なものまであります。
軽度なものでは、目的もなくインターネットに接続する、携帯使用禁止の環境でも見ずにはいられない、などがあります。
重度のものになると、時間も忘れオンラインゲームに没頭する、インターネットに接続できないとイライラして暴力的になるなど、実際の生活にまで影響を及ぼすと言われています。実際に傷害事件や暴行事件に発展した例もあり、安易に「単なる依存傾向」として見過ごすのは極めて危険な場合もあります。
軽度であれば親の教育や本人の心がけで治ることもあります。重度の場合は専門機関で治療が必要な場合もあります。
要因になりえるもの
ネット依存症になる一因として、下記のような要因が挙げられています。
- 長時間インターネットに接続できる環境下にある
- 現実世界での人間関係(家族・友人など)が希薄である
- 現実世界での居場所が少ない
- 現実逃避をする
- オンラインゲームやSNSなど、動向が常に気になるコンテンツに没頭する
上記はあくまで一因として考えられていると言うものであり、該当するからと言って必ずしもネット依存症になると言うわけではありません。
しかし、誰もがなりうる可能性を秘めている依存症の一つでもあります。また、最近では、上記のような直接的な原因だけではなく、他の疾患との関係性もあるのではないかとして、研究がすすめられています。
ネット依存症には専門の治療機関がある
ネット依存症は、その症状の度合いにもよりますが、一人で治療を行うのは困難であると言われています。
自分自身や、家族、友人がネット依存症に陥っているのではと思った場合は、周りの助けや協力で解決することも大事ですが、専門の治療機関を検討するのも良いかも知れません。
今は専門外来を附設している病院やクリニックも多く存在し、早めに治療を行うことで、ネット依存症からも早く脱却することが可能になるといわれています。
ネット依存症は日本だけに留まらず、インターネットの普及している全世界で問題となっています。依存者が多く、深刻であると捉えている国の一部では、ネット依存症に特化した大型の治療機関が存在しているのも事実です。
ネット依存症は、便利な情報社会の裏に潜む、非常に身近な病となりました。心を蝕む病が存在すると言うことを理解した上で、インターネットと適切な付き合い方をすることが、依存症から身を守る一つの方法でもあるといえるのです。
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