認知行動療法
ネット依存症の治療では、認知行動療法が取り入られることがあります。認知行動療法は認知の歪み(物事に対する偏った考え方)を正していく治療法で、ネット依存症以外の精神疾患でも用いられる治療法です。
ネット依存症における認知行動療法の方法
ネット依存症ではネットに対する考え方を正していきます。ディスカッションを通して、ネットとは何か、ネットとは自分にとって何なのかを確認していきます。ディスカッションは医師と1対1で行われることもあれば、ネット依存症患者による小人数グループで行われることもあります。
ディスカッションでは、本人がつけた行動記録をもとに話し合うことが多いです。また、少人数グループによるディスカッションでは、医師(治療者)が司会につくことがほとんどです。
修正していく考え方
ネット依存症の認知行動療法では、例えば、次のような考え方を修正します。
- ネット以外に楽しいことはない。
- ブログが気になって1日に何回も見てしまう。
- SNSには友達がたくさんいるので毎日会わないといけない。
- ゲームはチームプレイなので自分がいないと始まらない。
- ネットはコミュニケーション手段としてこの上ないものだ。
- 食事は適当で良い。
- ネットをやめると逆に体調が悪くなるはずだ。
ネットをしなければ生きていけないといった決めつけや”べき”指向、ネットに対する過大評価、ネットをやめることへのマイナス指向などの”認知の歪み”を修正していきます。
ディスカッションを通してネットに対する考え方が変わっていく
ディスカッションでは、ネットの良い点や悪い点をあげていきます。最初のうちは、ネットは楽しい、コミュニケーションがとれていいなどの良い点が挙げられるものの、悪い点はなかなか挙げられなかったりします。しかし、だんだんとネットによる悪影響、例えば体調の悪化や経済的負担などが挙がるようになります。そして、ディスカッションを続けていくうちに、ネット依存に対する危機感を感じたり、ネット以外に楽しいことがあるのではと考えるようになっていくのです。
認知行動療法-ネット依存症の治療関連ページ
- ネット依存症の相談窓口
- ネット依存症の受診や治療をしたいと思ったときの相談窓口について紹介します。
- ネット依存症の診察
- ネット依存症の診察について紹介します。
- ネット依存症の治療方針
- ネット依存症の治療方針について紹介します。ネット依存症でも他の病気同様、しっかりと治療方針を決めることが大切です。
- 行動記録をつける
- ネット依存症の治療では、行動記録が治療ツールとして重要になります。本人が毎日の行動を記録して、どれだけネットに時間を使っているのかを見える形にします。
- 運動療法や作業療法
- ネット依存症の治療では、運動療法や作業療法が取り入れられることがあります。自分の体を動かしてネット以外の楽しみを見つけます。
- SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)
- ネット依存症の治療では、SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)が取り入れられることがあります。リアルな人とのコミュニケーションスキルを学びます。
- デジタルデトックス
- デジタルデトックスとは1日デジタルを断つことで心身の疲労を取り除き、生活のリズム取り戻そうとするものです。ネット依存症の治療においては、定期的にデジタルデトックスをすることで徐々にネットの時間を減らしていくという方法が取れます。
- ネット依存症の予防
- ネットは便利ですし、生活していくうえでなくてはならないものになってきました。だからこそ予防が必要です。ネットに取り憑かれないようにしましょう。