行動記録をつける

行動記録をつける

 ネット依存症の治療では、行動記録が治療ツールとして重要になります。本人が毎日の行動を記録して、どれだけネットに時間を使っているのかを見える形にします。この行動記録は認知行動療法の一環としても行われます。

 

記録すること

 次の項目について毎日記録します。

  • 時刻…起床、就寝、食事、入浴、ネット利用などの時刻を記入する。
  • 内容…どんなことをしたのか簡単な内容を書く。ネット利用の場合は何をしたのかできるだけ具体的に書く。
  • 感想…その時の感想を忘れないうちに書く。ネットの時間以外でも気づいたことを書く。

【例】

10月4日(土)
時刻内容感想
12:00起床だるくてなかなか布団から出られなかった。
13:00SNS・メール確認
ニュースサイト閲覧
動画サイト閲覧
ニュースの関連動画を見たら、そこから他の動画も見だして止まらなくなった。
16:00食事テーブルに置いてあったものを食べた。
17:00ゲーム「○○オンライン」(MMORPG)開始課金はしないように気をつけた。途中食事に呼ばれたがお腹が空いてなかったので断った。
26:00就寝ゲーム時間9時間。早く寝ることを意識したつもり。

行動記録をつけることの目的

 行動記録をつけることで、周囲からは見えにくいところが明らかになります。毎日の記録をもとに、診察で医師とディスカッションし、新たな目標を一緒に設定していきます。
 「一日の利用時間を今より一時間減らす」「ネットをする日を限定する」といった目標を立て、使用時間を少なくしていきます。
 こうして治療の成果を着実にあげていくことが行動記録をつけることの主な目的です。それと同時に本人に問題意識を持たせる、治療に対する意欲を維持させるといった効果もあります。

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